第162章 君の才能を評価する

谷口奈緒はそう言ってペンを置くと、どこか不安げに口元を引き結んだ。

「水野社長、川西社長……しばらくデザインから離れていましたし、うまく説明できていなかったらすみません」

水野佑奈の意識は、谷口奈緒が引いた線にすっかり奪われていた。原稿を土台にしながら、ほんの数筆――それだけで、絵が語る意味そのものが別物に変わっている。

「谷口奈緒……才能、良すぎるでしょ。本当にこの数年、筆を握ってないの?」

水野佑奈にはわかった。彼女の修正は、原稿の核を正確に掴み取っているだけじゃない。そこに自分の解釈を上乗せし、より強い形にしている。稀有な才だ。磨けば、次世代のスターになれる。

谷口奈緒は場の...

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